認知症には種類がありますが、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」です。
アルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積されることによって発症するとされています。
通常、アミロイドβは分解されて排出されるのですが、何らかの理由で排出されずに蓄積してしまうと、脳の情報伝達が悪くなり、脳の機能が低下してしまうのです。
進行すると、タウという異常なたんぱく質が溜まって、神経細胞を死滅させてしまいます。
認知症を防ぐためには、アミロイドβの蓄積を防ぐ必要がありますが、歯周病菌がアミロイドβの生成・蓄積を促進させることがわかりました。
また、残っている歯の本数と認知症発症リスクの関係で、残存歯が少ない人ほど認知症になりやすい、いいかえれば自前の歯が残っている高齢者に認知症の患者が少ないことがわかったのです(東北大学医学部・歯学部合同研究)。
さらにMRIによる脳の画像検査でも、残存歯の少ない人ほど大脳の容積が小さくなり、特に記憶をつかさどる「海馬(かいば)」や、考えたり思ったりの高度な知的活動にかかわる「前頭前野」などの大切な部位がいちじるしく委縮していたといいます。
歯を守るだけでなく、ご自身の健康を守るために徹底した歯周病予防を行っていただきたいと思います。

